2001年9月15日


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「 裁 判 を 正 す 会 」 事 務 局 


■ 裁判官を教育する

 2001年(平成13年)9月11日付毎日新聞記事の見出し「小2交通事故 1億7000万賠償命令 大阪地裁『69年間の介護必要』」。判決言渡をしたのは坂本倫城裁判長。


 「誤判」の第8章「名誉毀損裁判」(P194〜P247)に、当初、官僚的で、仲間意識が強く、末永汎本弁護士側の言いなりになっていた坂本倫城裁判官が、裁判官本来の正義感と公正さを取り戻していく過程を、私・冨嶋は書いている。


 第8章の「名誉毀損裁判」は、本訴・医療過誤裁判の一審山口地方裁判所下関支部と二審広島高等裁判所第3民事部で展開した、被告医師側に抱き込まれた裁判所職員による「虚偽有印公文書作成・同行使の犯罪」を世間に暴露されるのを潰さんがために、ヤメ検で首謀者の被告側訴訟代理人末永汎本弁護士が原告本人冨嶋に仕掛けてきたものである。本訴・医療過誤裁判は「虚偽有印公文書作成・同行使の犯罪人」である裁判官たちが、雛壇の高い所から、善良な国民である原告と傍聴人を見下ろし、睨みつけ、悪逆非道の極めつけに、佐藤武彦右陪席裁判官が、代理人席に座っているだけで、弁護活動をなにもしない末永弁護士に成り代わり、鑑定人の強制誘導談合尋問をしてまで、論理破綻もはなはだしい、支離滅裂な理由を列挙して、保身のために意図的に患者の命を奪った医師側を勝訴させた暗黒裁判だった。原告冨嶋はまるで刑務所の中で裁判を受けているようなものだった。

 控訴審判決後、冨嶋が東京地検特捜部に広島高裁の柴田和夫裁判長と佐藤武彦裁判官を職権濫用罪で告訴して、暫くして、佐藤武彦裁判官は四国松山の家庭裁判所に転勤になった。後日、最高裁で冨嶋が逆転勝訴したおりには、佐藤武彦裁判官から原告側訴訟代理人・大口昭彦弁護士に「このたびはおめでとうございます。私も目から鱗が落ちたおもいです」と反省の弁を兼ねたご挨拶があった。

 名誉毀損裁判では、坂本倫城裁判官が佐藤武彦裁判官の二の舞にならないようにと、私は願った。
 そういうことで、私は坂本裁判官が末永弁護士側に引っ張られると、引き戻し、坂本裁判官が「裁判官の道」「人間の道」を踏み外さないように常に注意をはらいながら、裁判にとりくんだ。書記官を通して「傍聴人が皆、あの裁判官の訴訟指揮はおかしい。悪徳弁護士側に偏り、公正でないと言っている。私の言い分もとりあげるべきである」と警告しました。いろいろありましたが、裁判の後半になると、私が「末永弁護士の犯罪と偽証」を証明できるように、坂本裁判官は最高裁への調査嘱託など積極的に協力してくれるようになり、悪徳弁護士一味と闘う同志の感じになりました。
 裁判が和解で終結したとき、私が「大変お世話になりました」と挨拶すると、坂本裁判官は椅子から立ち上がり、テーブルにしっかり両手をついて、額がほとんどつくまでに深々と頭を下げられた。謝罪の気持ちが込められていたと、私は受けとめている。
 その後坂本裁判官は大阪地裁に栄転して行かれた。そしてこの度の判決。
 ということで、国民が個々の裁判で裁判官を
「民主的で、真っ当な裁判官」育成することは可能だと考えます。

 50人もの法曹出身の国会議員はまぎれもなく「法曹族」である。このような状況下で、政府に民主的な司法改革は期待できない。見切ったほうが賢明である。
 個々の裁判で、裁判官が悪に染まらないように、裁判官を教育し、監視したほうが、公正な裁判の実現を確実にする。


 佐藤武彦裁判官、坂本倫城裁判官、ともに東大卒。謙虚に自分の言動を反省し、勇気を出して、悪徳弁護士(あるいは悪質な検察官)の誘いを断ち切り、身を正すことができるか否かが、明暗をわける。裁判官ほど人の弱みを握り、誘惑の多い職業はない。裁判官たる者、くれぐれも自重すべきである。
 

■ 出版・ホームぺージ・監視の効果が浸透してきた

 このところ会員・会員外の人から「民事裁判ものがたり」の注文が50冊、10冊単位であります。それだけ法曹の腐敗・不当裁判・インチキ裁判の実態が広く国民に知られてきたことであり、法曹に対する国民の監視の目が厳しくなりました。


 それを証明する一つの事象があります。
2001年9月11日付毎日新聞記事(取材前線)
「前次席検事の不起訴求める上申書  地元・福岡では広がらず  癒着と言われるより黙ってる」
 

■ 正義が通らない国の弊害

 私・冨嶋は2001年9月6日〜9日の間、韓国の光州・霊光に行ってきました。
● 下関〜釜山 関釜フェリー
● 釜山〜光州 高速バス 268q 約3時間20分 1,630円
● 光州〜霊光 市外バス       約1時間20分   320円

 霊光から光州に引き返すバスは満員だったが、空席が1つあった。貧しく汚い女が1人立っていた。顔も洋服も靴墨を塗ったように黒づんでいた。すると若い女性と年輩の男性が、空席を指さし、大きな声で、その女に座るようにすすめる。2人がけの空席の隣には裕福な家の若奥様ふうの母親が赤ん坊を抱いて座っている。それで貧しい女はいっそう遠慮したのだろう。だが前の席、後の席、あちこちから「あなたも座りなさい」とさかんに声がかかり、とうとう女は席に座った。なにごともなかったように車内はすぐ静かになり、乗客の多くは眠ってしまった。いたわり合う暖かい庶民の心が健在で、安堵感に包まれ、私もうとうとしてしまった。

 釜山から下関港に着き、入国検査を受けるために税関で並んでいると、乗船客の1人に問題があるから、船に戻るように指示された。
 問題があるとされたのは二十歳くらいの日本女性だった。青い顔をして椅子に腰かけている。釜山港で乗船したときは、韓国のお爺さんがかぶる三角の大きな帽子を頭にのせて元気に騒いでいたという。
 数日前、韓国から帰った旅行者からコレラに感染した者が見つかったとテレビ報道があり、それかなと他の乗客は疑った。
 韓国人の運び屋のおばさんは「一番きついのは彼女なんだから、せめたらいけんよ。あまり言うと二度と韓国に行かんと言うからね」と言う。
 日本人の中年男は「いや、あんなのは、釜山港を出航してから、韓国の警察から船長に、日本に着いたら逮捕するように無線連絡があっているのだ。近ごろは韓国旅行中にシャブをやるのがたくさんいるからね」と言う。
 40分くらい経って、ようやく保健所の医師と看護婦が乗船してきて、病人をトイレに連れて行き検査が始まった。
 結果が出るまで30分以上もかかったが、どうやらコレラではなかったようで、医者が病人を連れて下船のため、大勢の乗船客をかきわけて出口にむかって急ぎ足で歩いてきた。
 ジャブ発言の男が横を通り過ぎようとする病人に向かって「馬鹿ったれが」と罵声を浴びせた。
 病人は振り返り、持っていた手荷物3つを力ませに床に投げつけ、乗船客全員を恐ろしい形相で睨みつけると、手荷物をひろいあげ、肩を怒らせ立ち去った。
 一同声もなかった。荒っぽい病人がいたものだ。

 この騒ぎで乗船客は2時間近く足止めをくらった。港には静岡など遠方から鮮魚を運ぶトラックも来て待機していた。
 結局それに対して病人の日本女性から一言の詫びもなかったわけです。
 それに無責任なシャブ発言。このようにしてえん罪は作られていくのだろう。恐ろしいことです。

 正義の通らない国、正義が潰される国、奇怪な殺人事件が頻発する世紀末の日本社会の現状。日本人と日本社会が健全になるための軌道修正は並大抵のことではないと実感させられました。

 

光州の5.18広場